2017年4月18日火曜日

90年代のシカゴを守ったハウスギャングスタ

「先日投稿したシカゴハウスの話」の反響が物凄いことになってたので東京のシーンの流れがかなり変わってきたのかなと物凄く感じているところなのですが、 

昨今のシカゴハウスシーン最大のトピックになりそうなビックレジェンド「DJ SNEAK」が7年ぶりに来日します。



 かなり久しぶりの来日になるので、もはや知らない人も多いんじゃないかっていう不安もあるのですが、DJ SNEAKから産み出されたハウスサウンドは世界のハウス、テクノシーンだけでなく、ヨーロッパのメジャーチャートシーンにまで及ぶ偉大で膨大な歴史であり、「リビングレジェンド」という名にふさわしいDJの1人です。


 歴史をさかのぼって、90年代初頭のシカゴの話…


 Frankie KnucklesはNYに戻り、RON HARDYは亡くなり、輝かしい80年代とは全く違う焼け野原状態だったシカゴのハウスシーン。そんな中でGREEN VELVET、DERRICK CARTER、そしてDJ SNEAKの3人がそれぞれの役割を担ってシカゴから世界に向けてハウスミュージックのスピリットを発信していなければ今のシカゴハウスシーンは消滅していたかもしれません。この3人が世界に発信した事で「CHICAGO HOUSE」というワードが世界に広がったのもこの時期です。

80年代末にシカゴのGramophone Recordsというレコ屋で働いてたDJ SNEAK(当時の同僚はDerrick CarterやMark Farinaだったらしい)はレコ屋の常連のGREEN VELVETの元でトラック制作をスタートして、80年代後半にUSやヨーロッパシーンを席巻してACID HOUSEのFILTER処理の原理をディスコやソウルのネタに使ってハウスのビートに乗せる事を想い付きます。

 これが後に世界のクラブシーンを席巻する「フィルターハウス」という新ジャンルが誕生したタイミングであり、 DJ SNEAKの作り出すトラックの数々はシカゴハウスのファンキーなビートにFILTER処理ディスコやソウルのネタが乗っかり、瞬く間に世界中に広がり、DJ SNEAKの名と共に再びシカゴハウスが注目されるようになります。




90年代半ばから後半にかけてのDJ SNEAKのトラックはハウスクラッシクスにふさわしい名曲だらけ。


そしてDJ SNEAKのスタイル触発された後世のビッグアーティスト達が続々と現れてきます。



フジロックを始め、世界中のビッグフェスでヘッドライナーを務める事が多いBasement Jaxxはフィルターの使い方やSNEAKの作り出すビートに魅了されて、ATLATIC JAXXで名曲を連発。特にFLY LIFE等の初期の作品はSNEAK色強いです。


そして、誰よりもSNEAKに影響されたのがDAFT PUNK。世界的なアーティストになっちゃったけど、今でもSNEAKのフィルター使いを忠実に再現してる。SNEAKの事を師匠だと思ってるはずです。



実はDigital Loveの作詞を担当をしてるのもDJ SNEAKなのです。


GREEN VELVETはFrankie Knucklesの魂を独自の解釈で孤高に再現する事で、Derrick CarterはエクスペリメンタルでスキルフルなシカゴのDJスピリッツの象徴的なDJとして、そしてSNEAKはフィルターハウスという新たなサウンドを0から産み出す事でシカゴのハウスミュージックの素晴らしさを世界に発信し続け、新たなシカゴハウスリバイバルが始まることになります。

正直、ここまででもお腹いっぱいなんだけど、SNEAKの凄いところはこれだけじゃないんだよな…








90年代のSNEAKはフィルターハウスだけでなく、独特なビートでキレ味のするどいシカゴハウスのトラックをたくさん作ってて、当時Relief RecordsかリリースされたBLUE FUNKシリーズは同じシカゴ出身のGEMINIのトラックと並び、今のミニマルハウスのシーンに大きな影響を与えた言われています。

   
世界的スーパースターDJのRicardo VillalobosもSNEAKフォロワーの1人で何回もB2Bや
ってる間柄。

   
そして、ルーマニアの [a:rpia:r]からもリリースしたり、現行のミニマルハウス界でもSNEAKのフォロワーはたくさんいます。


 自分自身もレコードを買うキカッケになったのは今から約20年前…10代の頃にLAでDJ SNEAKを見て、当時の友達に「これシカゴハウスって言うんだよ」って教えてもらってからで、その2年後にDerrick Carterと出会う事になります。 相変わらず今もDJも格好良いんだよな…プリエルトリカンならではのビートやGROOVEがあって、他のシカゴのDJとはまた一味も違ってビートでずっと躍らせれます。




シンプルなハウスセットかと思いきや、しっかり後半でラティーノ節を炸裂してくる辺りがハウスDJだな~ってネットで見てても上がっちゃう。そして、この人の動き全てがギャングスタっていう…憧れます。


この人は場所によって空気を読んで色んなスタイルが出る(でも全てSNEAK節)でこれは完全ヨーロッパ仕様でミニマルとかもSNEAK節全快のGROOVEで突っ込んできます。先週末にMark Farinaに会ってるみたいだし、CONTACTの話もしてると思うからどういう感じで来るか楽しみでしょうがない。。


このミックスはSNEAKのテクニカルな部分が見えて面白いんだけど、この人はHOT CUEを使ってガンガンぶっこんで来る。Derrick CarterやMark Farinaとは全然違うタイプのシカゴのスタイル。ビートマスターらしくフェーダー裁きがかっこいいです



 こういう風に色々話をまとめるとやっぱりただ身体がデカイだけじゃないんだなって改めて思う(笑)



 現在はI'm A House Gangsterっていう配信レーベルをやってて、音源だけじゃなくてアパレルやビジュアル面を力を入れてます。元々グラフティアーティストもやってたから、ビジュアル面のセンスも抜群なんだよな。






SNEAKって昔から現場でも音だけじゃなくて見せ方も超ギャングスターでかっこいいんだよな。絶対に現場で見たら楽しいはず♪やんちゃなハウス大好きなみんな…28日金曜のCONTACTは間違えないっすよ◎7年ぶりの来日をお見逃しなく!!!!



DJ Sneak Japan Tour 2017
APR 28 FRI 2017@CONTACT

STUDIO X
DJ SNEAK
DJ TASAKA
REMI
(ROUNDHOUSE | DAWD)


CONTACT
Wataru Sakuraba
DJ Moca
(ROSADO)
Atsuko Satori
(PALM BABYS)
KAZUHO
(REMEDY)

kotsu
(CYK | FAUCET)
OPEN 22:00
DOOR ¥4000 W/F ¥3500 GH S MEMBER ¥3000 UNDER 23 ¥2500 BEFORE 11PM ¥2000
GENRE House


遊び来たい人はTWITTERでもFACEBOOKでもacidbaby@me.comでもメッセージ頂ければ優待します~!!!





PS
この3人がずっとずっと本当に好きなんだよ俺は…Derrick CarterやMark Farinaとのお付き合いは長くなってきたけど、いよいよSNEAKと一緒にDJやれる機会もらえた。頑張って良かったな。



2017年4月10日月曜日

シカゴの流儀

本当に東京はどうしちゃったんろう???ってくらいにシカゴハウスのトピックが続いてます。先週末のCONTACTは金曜日がRon Hardy直系のJamie 3:26、そして土曜日がシカゴハウス第2世代の圧倒的な存在感を誇る異端児GREEN VELVETって…もはやCONTACTはシカゴ化してた。



個人的にもJamie 3:26出演のEUREKA!絡みでトークセッションに出演したり。どうしたんだ東京????って事でこのトークセッションで話せなかったこととか少し書きます。浅沼さんとミドリ君とは「The Unusual Suspects」っていう映画をもとに80年代のシカゴのハウスシーンについて話をしたんだけど、

シカゴハウスっていうのはエクスペリメンタル(実験的)でスキルフル(技術的)なシカゴのDJ達がプレイしたハウスやディスコのレコードだという事を中々うまく伝えられなかったのかなって感じていました。

トークセッションの時は1984年~1986年くらいのFrankie Knucklesがレジデントを務めたPOWER PLANTSとRON HARDYがレジデントだったMUSIC BOXがお客さんの取り合いをしてる時が名曲もいっぱい生まれたし、熱い時代だったというのを熱く話しましたが…


Frankie Knucklesの方はDJは綺麗な音でストーリー性もしっかりしたバリバリのNYスタイルでLarry Levanに近いイメージだったかもしれないけど、とにかく実験的なトラックを当時いっぱい制作してて、Jamie Principleとの組んだトラックは特にヤバイのが多いです。


逆にRon Hardyの方はDJの現場でより実験的な試みをたくさんしてて、今のシカゴスタイルの礎を気づいた最重要人物だったります。

当時のRONはアカペラに深くリバーブかけてノイズみたいにしてビートに合わせたり、逆回転でプレイしたり、ピッチコントローラーのついたオープンリールのテープデッキでとんでもないサウンド出したり…とにかくあらゆる手法でお客さんを快楽に導いてた伝道者で、Derrick MayらデトロイトのDJ達にも大きな影響を与えたそうです。

RON HARDYに関してはRBMAの

http://www.redbullmusicacademy.jp/jp/magazine/ron-hardy-at-the-music-box-1

の記事が大変すばらしいのでこれも見るといいですよ。




先週の金曜日にCONTACTでプレイしたJAMIE3:26はRON HARDYの影響をもろに受けたいわゆるMUSIC BOXのパトロンの一人。



 木曜のDOMMUNEからじっくり見てましたが、うぜえなってくらいアイソレーターを使って、DJ中ほとんどフラットで音が鳴ってる時がないんじゃないかってくらい手数が多い印象で、シカゴの人らしいな~って感じながら音浴びてました。選曲や出音は同じRon Hardy信者のRon Trentに近い感じで、Ron Trentよりもワイルドにミックスをしていくスタイルだったから似ても似つかないオリジナリティ出してました◎


そして、土曜のGREEN VELVETは外人を含めた多くのお客さんをロックするいつも通りのアゲアゲなセット。



あんまりイメージわかないかもしれないけど、この人は間違えなくFrankie Knucklesの影響を多々受けてて、

Frankie Knucklesがなくなった時もTribute MIXを誰よりも早く作ってて、シカゴの連中でこのミックスをpure frankie styleって言ってる人も多かったみたいです。




彼が歌う(オシャベリする?)曲は現代版のFrankie Knuckles&Jamie Principleにしか聞こえてこないし…俺だけか???


あの風貌やふざけた性格とは裏腹にDJミックスは慎重にやるあたりもRon HardyよりはFrankie Knucklesっぽい(笑)

本当に謎の多い人だけど、間違えなく言えるのはGREEN VELVETが作って来た名曲の数々は実験的であり、シカゴハウスそのものだという事を改めてCONTACTのフロアーで感じていました。


両日共楽しかったな~◎


でも、やっぱり俺にとってシカゴの基本はDerrick Carterなんです。Frankie Knuckles譲りのストーリ性、ハウス感…そして、Ron Hardyのような実験性も全て備わったシカゴの至宝。この人には本当に色々教わったと思う。

このミックス一つとって最初からCHIP E/It's HOUSEとMoodymannネタのハウスのどんだけ長いんだよっていうロングミックスからスタートして、40分過ぎからかけてるDISCO CLASSICの真ん中の音数の少ない部分をループさせてChaka Khanのアカペラを乗せて、そのアカペラの最後のコーラスの部分を更にループかけてミニマル化…その後に「CathedralsーD.C.LaRUE」をぶち込むって流れはもう実験とか通り越して頭がどうかしてると思う…





その昔、CDJ2000が発売された時にDerrick Carterが東京にDJしに来たときにUSBでDJをしてて、もうCDすら選ぶそぶりがなくなったから「DJっぽくないからヤダな」って言ったら

「お前ださいことを言うな」って怒られた事があります。

USBを使えば、選曲のアクセススピードが上がって、出来る事はいっぱい増えるし、CDJ2000の機能をフルに使いこなすには絶対にUSBを使う方がいいよって、Lil Louis - French Kissにマイケルジャクソンのアカペラの乗せながらゲラゲラ笑いながら言ってたな。


その言葉は本当に自分にとっては重くて、これがシカゴのスタイルなんだなっていうのを見せつけられた瞬間でもありました。

実際にDerrickの常識は俺らのDJの常識とは全然違うので次にかける曲のBPMを合わせる前に音量出しちゃうなんてざらにあります。お客さんに快楽を与える為にはBPM合わせる時間よりもロングミックスすることを当たり前のように選択するんです。当然それをやるにはそれ相当なスキル(技術)がいる訳なんですが。

それを普通にやっちゃうのがシカゴのハウスDJであって、最初に言った通り、シカゴハウスっていうのはエクスペリメンタル(実験的)でスキルフル(技術的)なシカゴのDJ達がプレイしたハウスやディスコのレコードっていう事に繋がってきます。

今上げたDJ陣だけでも個々で全然スタイル違うし、正解がないのが面白い。でも、みんな誰もが納得のシカゴのスタイルなんだよな。


そしてもう一人…シカゴのビックレジェンドDJ SNEAKも4月28日金曜にCONTACTに来日予定です。この人が生み出した音楽の話は膨大な内容なのでまた後日にでも。